1.休日の違い
サラリーマンの場合年間の休日は110~120日くらいあります。
もちろん、会社や職種にもよりますが。私がサラリーマンをしていた4年前
と比べ祝日も増えたのでもっと多いかもしれません。
船員の場合、スケジュール通りなら90日、4ヶ月乗ったりしたら、その年は
2か月になってしまうかもしれません。
1ヶ月も休みがあったら長くていいじゃないか!と思うかもしれませんが、
下船してから、1週間くらいはダラダラします。疲れてますからね!
逆に3週間くらい経つと、そろそろ会社から電話があるんじゃないかと思い
ブルーな気分になります。
下船時は天国、乗船時は地獄です。何回やっても慣れません。
2.通勤の違い
サラリーマンの場合は月~金毎日通勤ですよね。
船員の場合は乗下船のときのみです。ただし、スーツケースをもって
移動しなければなりません。
長距離の移動の場合もあります。地方に住んでいる人は確実に長距離
移動になります。私が勤めているタンカーは荷物を積む場所で船員の交代
すると決まっています。積む場所は大阪、四日市、千葉など都市部が多い
のでそれ以外の場所に住んでいると、長距離移動になります。
しかも、船の場合は直前まで予定がわからないので、
1週間くらい前に「たぶん何日に○○で乗船だからね。」
と連絡が来て荒天だったりすると1日くらい遅れる場合もあります。
ホテルに前泊しても当日、風が強くて桟橋に着けれず、次の日に延期
なんてこともまれにですが、あります。
3.睡眠時間を自分でほぼ管理できない
サラリーマンの場合は当たり前ですが、自分の好きな時間に寝て通勤など
都合はあるでしょうが、毎日決まった時間に起きればいいですよね。
船員の場合は甲板部(航海士、甲板手など)はワッチもあり、荷役中も
デッキ上にいなくてはならないのでハードです。
しかも、荷役(積み、揚げ)の都合で起きる時間も、寝る時間も毎日
変わり不規則です。
本当に忙しいと4時間以下、普通なら5~6時間、岸壁に着けて休む場合に
6~7時間、船の種類や会社にもよるでしょうが私が2年間務めたタンカー
はこんな感じでした。
これで1ヶ月に休みが1回あるかないかなので、正直しんどいです。
4.買い物に行けない
毎日忙しくて休みがないので、買い物に行けません。
買い物は積み荷役の時に自分が買い物に行くか、司厨長(食事を作る人)が
ほぼ毎日買い物に行くので、頼んで買ってきてもらうしかありません。
5.電波が通じない
陸上にいれば電波がないってことはまずないと思います。
船員の場合は荷役中や東京湾、伊勢湾、大阪湾にアンカーしているときは
だいたい通じます。
ただ、航海中で陸から離れると通じません。
通じても忙しかったりして、スマホに触っている時間がないんですけどね。
6.労働時間・拘束時間が長すぎる
陸上では長時間労働が問題視されて、残業時間が減ったようですが・・・
船員の場合は、ずっと船にいるので何をもって労働時間をカウントするのか
難しいのですが、睡眠時間と食事、風呂、トイレ、休憩時間を除くと
体感的には12~16時間くらいです。
航海中はワッチだけで8時間ですが、ペンキ塗りや錆打ち(錆を落とす作業)
があるので10~12時間と少し減りますが、長時間作業をさせる人もいるので
なんとも言えません。
7.曜日感覚や季節感がなくなる
春になれば花見に行って、夏はプールや海水浴場に行って、盆休みは
お墓参りに行って、秋は紅葉を見に行く。
そして、冬は正月休みでゆっくり家で過ごして、初詣に行く。
船員はそういう日本人らしいライフスタイルを送るのはムリです!
タンカー船員の1年は2~3回乗ったら1年が過ぎる・・・それだけです。
もちろん正月はおせち料理を食べてお酒を飲みますが、正月でも荷役
があるときはあります。
曜日は特に意味がありません。カレンダー見て今日は日曜日かと思うだけ
です。
まとめ
私がタンカーの船員を2年間やったときの正直な感想はお金は貯まるけど
自由がなさすぎて辛いです。
でも、もしも自分の人生やライフスタイル、目標のためにどうしてもお金
が必要なら数年はやってもいいのかな・・・と思います。
体力と根性(精神力)がないと勤まらないです。
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